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天才か反逆者か
──落書きは落書き…

2022.02.18

 「いつか自分でコンクリートのパークを作りたいな。海外みたいな、グラフィティだらけのパークとか超かっこよくない?」とは某ショップ勤務スケーターの談。たしかに、賛成。僕らが普段目にする、ビデオの中の海外のパークやスポットってスプレーで派手にグラフィティが描かれたものが多い。それはなんだかおどろおどろしく見えたりもするのですが、よく見てみると立派なデザインが施されていることも少なくありません。そしてそんなスプレーの乗ったコンクリートの面はスリッピーであり、横滑りしてやられることもありますが基本的に滑っていて心地いいものであります。一方ここ日本では特にパブリックのパークなんかだとグラフィティなんてご法度、ステッカー1枚のボムさえ問題となりかねない場所だってあるのも事実です。捉え方によっては世界で最もストリートスケートが厳しいとされる日本らしく、ストリートカルチャーなるものに世間の理解が少ないことの裏返しとも言えるでしょう。
 僕はグラフィティの人でもなければ、その世界についてほとんど無知であります。恥ずかしくも興味を持ったことすらなかったのですが、ここ数年、街やそこらにボムされたグラフィティをつい目で追ってしまう自分がいます。中学生ぐらいの頃から「ここにも同じ名前(?)がボムされてるね」といった視界に入ってくる情報はいくつかはあったのですが、かといってそれ以上でも以下でもなく、「落書きは落書き」くらいにしか思っておりませんでした。しかしここ最近になって、彼らライターの描く個性、スタイルみたいのがなんだか面白く見えてくるようになり…。そして時に、それまで何も見ていなかった同然のそれら「落書き」が突然自分の目から体内に侵入してきたような錯覚になり衝撃を受けたりと(ヘンなモノは摂取してないすよ)。単に視界に映り込んでいただけのものが、意味を帯びたものとして再びインプットされると言いますか…。
 少なくとも彼らの行為は日本では社会的に容認されないというか、見つかってしまえば即タイーホの世界。ストリートスケートとは比べものにならないほどリスクと隣り合わせのはずです。しかしトリックを残すために縁石を黒くしては角を削ったり、タイルが割れてしまうスケートボードと本質的には変わらないのでは? それがもし、自分が買った家にワケのわからんボムを喰らうのはゴメンですが、彼らにも「ここはやっちゃイカン」とかそういった暗黙のルールはやはり存在するようです。またその界隈にいる人らのインタビューなんかを読んでいると共感できることも非常に多く、リスクの差はあれ、やり方が違うだけだと思うことも多いのです。
 海外で、それがパブリックのパークであろうとお絵描きだらけなのは、それだけその文化への理解が進んでいるということ。街中へのボムが犯罪ではなくアートのひとつとして容認されていて、そこら一体がお絵描きだらけのなんだかおどろおどろしい、そんな素敵な街もあるようです。「日本もそれぐらい寛容だといいのにな、もっとスケートしやすくなるのにな…」と思いつつ、先日とあるライター(素性は存じ上げませんが)の個展を見る機会があったので、その活動へのリスペクトも込めて物販でお買い物をしたのでした。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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