
インスタグラムやYouTubeで勝手にオススメしてきやがる動画をつい再生しては次から次へと止まらなくなってしまいます。ためになる情報も吸収できるとはいえ、時間を無駄にしてる部分も大きいはず。わかっちゃいるけどやめられない♪
そんなオススメされる動画を観て「おぉ! 今のスゲェ」と驚くことも多々あります。しかし残念なことにそれらはAIによって作られた動画である場合も少なくない。そのコメント欄を見てみると「これはフェイクだ」「AI」などといったものやその理由が記入されています。「影のつき方がおかしい」とかそんな感じで。それらコメントを踏まえたうえで改めて動画を観てみると、確かにおかしな箇所も見受けられる。逆に言うと、なんの疑いもなしにボーっと眺めていると、それが本当のことであると騙されかねないのであります。
自分がスケートボードをやり始め、ビデオを観るようになり、スケートのあれこれがいくらか頭にインプットされてきた頃。今考えてもありえないハンマートリックのオンパレードに「これ、もしやCG(コンピューターグラフィックス、AIという言葉が今ほど定着する前はこう呼ばれることが多かった)で作られてたりするんじゃねーの!?」とか思ってみたりもしたわけです。そう思ったのは何も自分だけでなかったわけで。もちろんそんな事実が存在することはなく、凄いスケーターは実際に凄かった。しかしいよいよヤバい映像がAIで作られてしまう、それも現実味を帯びてきたように思います。なんつっても今や何でもありな世界。スケーターの価値観も多様化しつつあるなかで、いつぞそんな「衝撃映像」が出回ってもおかしくありません。
そんな未来は信じたくありません。個人レベルのおふざけの範囲内であればともかくとして、それがスポンサードされるスケーターであったり、企業から発信される映像であれば言語道断。スケートボードに対する冒涜とも言えるでしょう。それを取り締まり、処分できるって話は自分の知る限り存在しないのですが、仮にそんな事件が起きた際には「You向こう10年は表に出れませーん」みたいな、ワールドワイドに通用するスケーター内の条例が必要かもしれません。しかしそんなのは嫌だから、超えちゃいけない一線を踏まないような、そこはブレない価値観であり続けてほしいと願うばかりっす。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)