親を泣かせるような非行に走ったり、社会に多大なる迷惑をかけたりというような俗に言う「親不孝者」ではないはずの自分。かといって親孝行と呼べる類の行いもこれといってやった記憶がございません。「孫の顔が見てみたい」という親の定番の期待もメイクするどころか、独身貴族の街道をひたすらフルプッシュ。馬鹿息子というヤツですな。
ちょっと照れくさくて親には言ったことなんてないのですが、10年〜20年後、いつかでっかく親孝行ができるのなら「自動運転の車をプレゼントしてみたい」と思うのです。そこまで田舎でもないけれど、決して便利というわけでもない車社会の地方に住む両親。それは「すっかり高齢者となっている親にラクをさせたい」というよりは「アクセルとブレーキを間違って建物に突っ込んだりしないように」っていうネガティブな心配からでありますが。自動運転車なんて現状開発途上、いざ発売されてもしばらくはどエライ価格になるのは想像に難くありません。しかしその頃には一定の割合で社会に普及している未来だと信じたい。20年前には存在しなかったスマホが現代人の必需品に、なんなら小学生ですら持ち歩いているという社会の進化を考えると、きっとありえない話でもないのでしょう。
30代も半ば、一端の大人であるはずの自分がロクに親孝行もできていないのはいかがなものかと、時折考えてしまいます。これもすべてはスケートボードのせい。スケートボードがきっかけとなり、人生の歯車とやらが狂い始め、もはや修復不可能なところまで来てしまった。スケートボードに手を染めてなけりゃ、もう少しは当たり障りのないまともな生き方していたのではないのかと。もちろん、スケートボードを通して得られたいい経験や思い出といったものも語り尽くせないほどあるんですけどね! スケートボードに関わる仕事で収入を得て生活をしているだなんて、間違っても親が望んだ生き方ではないはず。しかし「アンタが元気であればそれでイイわけよ〜!」って、オッヤの言うことをまだしばらくは真に受けてみたいと思うムスッコっす。うーん、自分に甘いね(笑)。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)