30代も中盤戦から後半戦へと移ろいつつある自分。自分の置かれた状況に不満も特にないんですが、やっぱり若い人らを見ていると、かつて自分にもあった若さを羨ましく思うことも増えました。この先、年齢も増えていく一方。そう思うこともさらに増えていくことなのでしょう…あぁ頭が痛い。
かねてから多くの先輩たちから聞いていました。「35歳くらいから身体にガタがき始めるぞ」とな。身体にガタとは…。身体をわざわざ痛めつけるような行為を常日頃繰り返す我々スケーターであります。足腰に衰えが目立ち始め、怪我の治りが遅くなったり、長時間スケートができなくなったり、手術を受けたりっていうスケーターもひとりまたひとりと増える様を見てきました。そのうち自分も…なんて恐れつつも、身体の状態は至って良好。1段そしてまた1段と、少しずつデカいステアを見つけては飛び降り、自分の記録を塗り替えるなんていうスケートボーディングからはとっくに引退してますが、多少のバリスケに耐え得ることができ、スキルを向上させることができるだけの身体のコンディションがまだ十分残されている(ハズ)。昨年末に受けた健康診断も、1項目以外はオールAの健康体。我ながら強運の持ち主だと思う次第です。
なんて穏健な生活を送る日々なんですが、ついにキターっ! それは先日、地元の仲間とリモートで酒盛りをしていた最中の出来事。急に、それもわずか1、2秒ほどの出来事なんですが、片耳だけ内側から塞がれるような謎の圧迫感が。以降、「ピー」っていう耳鳴りが収まりません。そして左右の耳で音の聞こえ方がなんだかおかしい。寝て起きてもそれは収まることを知らず、不安に駆られた自分は耳鼻科で診察してもらいました。診断の結果わかったこと、それは「突発性難聴」もしくは「メニエル病」。珍しくはないが未だ解明されてなく、考えられる原因のひとつとして「加齢」が挙げられるようです。ここに来てふと思い出したわけだ、「身体にガタがくる」ということを。ちなみに先に書いた健康診断、唯一のB判定がつけられていた項目にて「聴力が落ちてきています」とコメントが書かれていたのですが、その診断が良くない形で現実となってしまいました。ここしばらくはヤクブツ、違う、お薬での治療で完治を目指します。
しかしめでたいほどのプラス思考者である自分。何かしらブチ喰らうことがあっても、その先にそれを超えるいいことの起きる前兆だと捉えております。思い返すとこれまでの人生も大体そんな感じで過ごしてきました。これまで無縁であった身体の異常に喰らっているんですが、その先に何かいいことがあるとすれば一体何なのだろう。逆にソワソワしている自分がいます。それが見つけ出せるんであれば、加齢もただ悪いことだけではないのかもしれませんね。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)