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2022.06.03

 先日発売されたばかりのスケート誌Sbをパラパラめくり、それぞれの写真が記録した瞬間の出来事を、被写体の向こうに写る背景などから想像してみる。トリックの云々のみならず、その場限りのドラマみたいなのをつい探そうとしてしまいます。そしてひと通り眺め終わったら次は広告なんかにも目を通すわけです。「そうだ、このお方もシグネチャーデッキが出てたね、そりゃ当然か」なんて、見開きのでっかい広告を見て改めてビックリしたりするのです。長い歴史を持つデッキカンパニー、Powell Peraltaから四十住さくらのシグネチャーモデルがリリースときたものですから。なんて驚いていたのも束の間、今度はメタル野郎の巣窟、Blood Wizardからサプライズで手塚まみのシグネチャー&地獄のパートがリリースされたのですからヘドバンが止まりません。
 日本国内に留まらない活躍が目覚ましいこの御二方とは会ったこともなければ面識もないのですが、ワールドワイドの知名度を誇るデッキカンパニーから女性スケーターのシグネチャーリリースという快挙に喜ばしく思う限りです。誰がこんな世界を予想したことでしょうか…。というのも、これは少し悪い書き方になってしまうのですが、少なくとも一昔前には女性のスケーターの世界的活躍なんてほとんど考えられなかったのです。海外ではエリッサ・スティーマーをはじめ男子顔負けのスケーターも登場してくる中、いざ日本国内のシーンといえば女性のスケーターなんてごくごくわずか。当然ながらそのレベルもお世辞にも高いとは言えないもので、パークやスポットで野郎どもが滑り倒す隅っこなんかで、オーリーや180といった基礎トリックをようやくこなすのが大半。キックフリップ乗れたら凄い方…ってのが少なくとも僕が見て感じてきた限り。それが現在、先のふたりのようにトランジションで遺憾なくスキルを発揮するタイプもいれば躊躇なくレールやステアに突っ込むタイプも。そしてスケートのみならずファッションにおいても注目され、界隈を賑わせるインフルエンサータイプのスケーターも。世界的にもこのような流れの真っ只中だと思うのですが、その中から取り残されることなくつねに何かしらの動きを見せてくれるのだから感心せざるを得ません。
 今や多くのスケートカンパニーのチームに当たり前に女性が所属する時代。女性スケーターシグネチャーのスケートシューズも増えてきました。日本の女性スケーターのシューズが世に現れるのもそう遠くはないことなのでしょう。あぁなんてこった。「本当はオレもそうありたかった…」などと宣ってはハンカチを噛む系の男子は僕だけじゃないはずはずだぜ。そんなところで今後の女性スケーターの活躍からも目が離せないわけです。「あのコ、今後イイ感じにカマしてきそうだな〜」なんてシレッとスケーター目線でチェックしてたりしますが、やらしい目線ではないので悪しからず。押忍(笑)

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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