梅雨も明け、待ってました夏本番! 日中はいよいよ危険レベルな猛暑が続いておりますが、水分や塩分などうまく摂取し、ダウンすることなくスケートでいい汗を流してほしいところです。
さて世間の、そして世間一般とは少しズレた世界にいる我々スケーターにとっても目下の関心事といえばやはりオリンピック。関係者として来日した外国人が薬物で逮捕されたかと思えばウガンダ人選手の逃亡、小山田圭吾や小林賢太郎らがキャンセルカルチャーでその地位を剥奪されたりとドタバタ劇が続きます。そもそも新型コロナのせいで延期になるわ、直前まで開催も危ぶまれるわで「呪われた五輪」とまで評されていますが、よくもここまで辿り着いたわけです。25日(日)の午前9時スタートの男子ストリートを皮切りに、ストリート、パーク共に多くの日本勢の活躍が期待されてなりません。
オリンピックへのスケートボード導入の噂がいよいよ現実的になり始めたのは確か2015年前後のことだったでしょうか。その当初からスケートボードがオリンピック種目になるのは国内外で意見を二分するものでした。個人的には賛成派・反対派どちらの言い分も納得できましたが、オリンピックによってスケートボードの新たな一面が増えたに過ぎない、と僕は捉えています。
賛成・反対とはまた違う軸で見ると、世代によってもその捉え方は大きく違うかと思います。今の10代、20代前半くらい、つまりはオリンピック選手と同世代にあたるスケーターは親子2代でスケートを楽しむ姿も多く見られ、物心がついた頃には生活にスケートボードがあるという人も少なくありません。国内においても比較的規模の大きなコンテストも開催されるようになり、そこでのし上がっていくべくスケートに打ち込む上手なキッズが多いのも、ひと昔の海外を思い起こしてしまいます。
20代後半、30代以降のスケーターはどうでしょうか。今と比べて市場規模もずっと小さく、時代にもよりますが、スケート関連以外の企業がコンテストやスケーターのスポンサーとなるのは稀なことでした。モデルやイメージとしてスケーターがテレビ広告に登場することはあっても、一国を代表する選手として国民に認知されるなんて考えてもみなかったことです。無論、そもそもスケートカンパニー以外の企業が参入することがスケーターにとってノイズとなることもあるわけで、それも考慮するとやや懐疑的な見方をする人もいるかなと。それでも個人的な肌感覚では賛成派スケーターも多く、結果オリンピックへ導入されることへと繋がったのかなと。
実に今さら感満載な原稿となってしまいました。しかしその誕生から5、60年という長い(短い?)歴史を経てここまできたスケートボード。新たな歴史がまた始まろうとしているわけです。さぁスケートボードはどこへ行く。僕はウズウズしてなりませーん!
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)