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落ちこぼれ
──ハンディカムフィルマー

2023.09.15

 思えば僕のフィルマーデビュー(?)はスケートボードを始めて1年くらいの中学生の頃でしょうか。自分のスケートを研究するため、自宅に眠っていたハンディカムで置き撮りすることから始まりました。いつからか近場のスケーターが集まる駐車場スポットにもそのカメラを持っていくようになり、仲間と撮りあったクリップをPCに落とし込み、デフォルトで入っていた動画編集ソフトで加工、繋ぎ合わせるっていう作業を手探りで進めていた記憶があります。BGMはなし、フィッシュアイも当然持っていない、スケートボード撮影に必要なフィルミング技術や知識ももちろんゼロ。すべてを見よう見まねでやっていたわけです。当然、出来あがった映像たるやスケートビデオとは比べ物にならないレベルのクオリティで、「なんか思ったのと違う…普段観てるビデオと全然違う」という自覚はあったものの、それでも完成させた数分のショートクリップをビデオテープにダビング(コピーすることね)。そして3、4人の仲間内で「ビデオプレミア」まで敢行した昔の自分を褒めてやりたい。
 以来、次作はもっとマシなものを作るべくハンディカムを持ち運ぶ日々でしたが、そんなカメラもついに故障。「スケボー撮ってて壊れた」なんて親に言ったら殺される…ということでカメラはしれっと元の棚に戻し、撮影を中断。ついでに言うと、当時のPCのスペックでは処理速度も遅かったり、編集も思うようにできなかったりということもあり、そのあたりからPCにも苦手意識を持つようになったような気がします。かくしてフィルマー、ビデオクリエイターの道から僕は早々ドロップアウトしてしまいました。時は経ち、今では日々のちょっとした撮影や編集もスマホひとつでできる世の中になりましたが、それすら億劫に思う自分であります。
 最近一緒に撮影で動いた若きフィルマー曰く「撮影や編集よりも、撮れた映像を取り込み、見ていく瞬間が一番ワクワクする」のだそう。それは早くしてフィルミング界への道を断念した自分にとってはちょっとした驚きでした。自分が苦手とする撮影や編集という作業は、それが好きでやっている人にお任せするのがやっぱり一番。そして撮影とかじゃないタイミングでも一緒に滑ったりできる瞬間が、僕は好きですね〜。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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