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天網恢恢疎にして漏らさず
──しっぺ返し

2019.07.19

 またひとつ、スケーターによる悪事を耳にしてしまった…。とあるローカルスポットの話らしいのですが、地面に固定されていたベンチを無理やり外して攻めたあげく、ボロボロに破壊しその場に放置。さらには同じ場所にある点字ブロック数枚が「アプローチの邪魔になる」と剥がされるという始末…もはや犯罪行為です。点字ブロックを頼みに歩行する視覚障害者に不安を与え、人としてのモラルを疑う事案。目撃情報から犯人はすぐにバレ、そこに集うローカルスケーターが謝罪を求めるも未成年の本人たちや親から反省は見られなかったそう。30年ほど前からスケーターが集まり、シーンを形成してきたというそのスポット。何か問題が起きる度に自粛などをしながらギリギリの状態で存続させてきたというローカルからすれば、たまったものじゃありません。
 スケーターによる問題行為が時々起こってしまうのも事実ですし、一般のスケーターによる行為だと聞いていたら僕はここでこんなことは書かなかったでしょう。しかし残念なことに今回の件、起こしてしまったのはスポンサードライダーだったということ。本来、ショップやブランドの広告塔としてスケートの可能性を広げ、人を魅了し、結果として売り上げに還元できてこそ価値があるというものです。スポンサードライダーであることに鼻を高くし、他人に迷惑をかけ、スポットを潰すようなことがあってはならないのです。スケートボードバブルの真っ只中にあり、スケーターの数も各地で増殖中とはいえ「狭い世界だな」と思うこともある国内スケートシーン。悪事なんて働けばすぐに話が飛び火し、どでかいしっぺ返しを喰らっても自業自得、周りは責任なんか取ってくれません。スポンサーを持つスケーターであるほどその意識を強く持つべきで、人の見本となるべきなのです。
 あちらこちらのパークで見られるようになってきた、親によるキッズスケーターへのスパルタ教育。泣きそうになりながらスケートをさせられているキッズがコンテストでいい結果を出したりするものですが、次また次へ出てくるトリックのコマンドなんかより子供に教える大事なことって他にもたくさんあるはずです。大したスケーターでもなければ子供もいない自分ですが、サポートを受ける側のライダーとして、ナイスなスケーターとしてのあり方を考え、伝えていきたいと思う次第です。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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