時間と財布のお許しさえあれば、旅行に出かけることが庶民派の自分にとって至極の贅沢であります。行く先々を下調べ、またその先々で偶然見かけた場所やお店に寄ってみるのはとても刺激的。ですがいつも実感させられるのは、地元の人が教えてくれる場所はどこも間違いないってこと。当然ちゃ当然なのですが、自分の勘を頼りに動いても限界があり、ネットや観光ブックもtoo muchな情報に困りがち。なんなら人気のホットスポットとして知られているような場所が、地元民にとってはそこまで馴染みのない場合だってあるのです。みなさんのお住いのエリアにもそんな場所のひとつやふたつはあることでしょう。
幸運にもスケートボードというツールを持っているおかげで、初めて会うような人たちとも打ち解けやすいと感じられることが多々あります。セッションしたり共通の話題があることで、それが見知らぬ土地だろうと人とコミュニケーションをとる敷居はぐっと下がるものです。結果、その界隈の名店やスケートスポットなどへのアクセスが容易になったりします。ネットや観光ブックでは知り得なかったであろう場所や情報も決して少なくありません。
しかし近年スケーターの数も増加した分、スケーター間の関係性も希薄化しているように思います。残念なことにストリートで滑るスケーターを「ルールを守れない迷惑ボーダー」と批判するパーク専科や親御さんも増えているようで…。いよいよスケーター間も相互理解が不可能で、分断される世の中になってきたわけですが、僕はやっぱり従来のスケーター同士のフランクな関係性に魅力を感じます。それを探すためにたくさん旅行に出かけたいし、逆に他所からやってくる旅人を「街案内」で楽しませることができたらと思い日々過ごしております〜。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)