比較的よく行くスポットやパークでは、帰り際に時間があればなるべく多くのゴミを片付けるよう心がけています。これは誰かに訴えかけるためにやっているものでなければ、周りに押し付けようと思ってやっていることでもありません。単純に「来た時よりも美しく」という心がけと、また小さいことだけどきっと見て理解してくれる人もいるはずって期待もあります。全国各地のスケートスポット・パークでゴミの問題は昔からなくなることなく今に至りますが、一方でそれを解決しようと動いている人の存在もまた認識してもらえることで、そのパークやスポットがより長く使えるのであれば、それが一番だといっても過言ではないはずです。「やらない善よりやる偽善」というスタンスで自分のできる範囲内でやっていくつもりです。
食品の袋や缶、ペットボトルに吸い殻…。あまりの多さにゲンナリ、というかドン引きすることもあるのですが、まぁ想定の範囲内。大問題に発展する前に、誰かが片してしまえば問題ない。こういうのは自分みたいなヤツにやらせておきゃいいんです。しかしこれは…っていうゴミまで放置されていることも見かけます。中でも困るのは使い古したデッキ。「さすがにスケーターとしてどうなのよ…」と思いつつ、自分で持ち帰るわけにもいかないので対処に困ります。最近もあるスポットに使い古したデッキとゴミが放置され、SNS上で怒りをぶちまけるパイセンスケーターの姿が。
今や使い古しの板を原材料に、アートから実用的な小物まで作り出す人も多く、そのような活動をする人の数も増えたため、使い古しのデッキの需要はとても高いのだそうです。またショップによっては使い古しのデッキを下取りしてくれたり、持ち込まれたデッキをまとめて必要な方に渡したりなど、使用済みデッキを最後の最後まで使おうという取り組みが進んでいます。使い古して不要になったデッキはそのような場所に持っていくのがベスト。デッキも新たな命を吹き込まれ、また違った形で活躍することができます。
かたやスポットやパークに捨てられ、放置されたデッキは…。これは僕個人の勝手な思い込みに過ぎないのですが、「スケートボードの上にも魂は宿るものだ」と思っています。わずか数週間〜数ヵ月という短い時間ながら、スケートライフを共にするデッキ。念願のメイクや大怪我をしたとしても、その時々の魂が板には宿っていると思ってます。そんな魂の宿った板をそこらに放棄しようなんぞ不謹慎もいいところで、僕はそんな恐ろしいことはする気になれません。ハッと心当たりのある方へのクスリになればと…。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)