同世代の友達やスケーターと比べてみても、どうやらスケートに費やす体力だけは立派なものを持ち合わせていると自負しております。有り余った体力を消化すべく貯めていたヘソクリでどこか海外にスケートに…なんてのは現況下じゃ厳しそう。「この夏は何ができるだろう?」。そう思いを巡らせていたところ、実は7月後半に4連休があることを知りました。週末を前に海の日とスポーツの日のコンボ! 「あれ!? スポーツじゃなくて体育の日じゃなかったっけ? そもそも10月だったよね」…。なにはともあれ、祝日がトランスファーし、勝手に小型の大型連休(どっちよ…)となってくれるのだから、それを大喜びで待ちわびるのです。
結果、「普段あまり行くことのない土地に行き、その地の名物パークやストリートを攻めてみたい」ということで、スケート以外に特にやることもなさそうなオーバー30の独身男性を招集し(オーバー40も約1名)スケートトリップを絶賛計画中。どっぷりスケート漬け、この夏の合宿でスキルアップを図りつつ、ワンチャン美味しい出会いを求めに行くとかそうでないとか。いや、どうせ傷の舐め合いに終わっちまうのでしょうが、これを書いている現在、実は行き先すら確定しておりません。行く方面を数パターン挙げ、それに伴い行ってみたいパークやスポット、ショップや観光地をリストアップしていく。それらのひとつひとつを考えているだけで気分は遠足前の小学生というか、もうすでにトリップは始まっているというか。
僕は金と時間が許すのであればあちこち動きたいタイプの人間。一方で、スケートはいつもの拠点(しかもパーク)ばかり…というタイプの人間も。大きなお節介なのは重々承知ながら一言。「スケートボードを楽しむ上でもったいない!」。言わずもがな、ストリートはふたつとて同じ物のないプレイグラウンド。サーファーの言う「同じ波は2度と来ない」という表現がもっとも近い感覚でしょうか。それらをスルーしてばかりじゃ、獲物を狙うスケーター的感覚まで錆びついちゃいます。もっと言うと、セキュリティや警察の登場、ヘイターからの妨害などのリスクもセット。全部ひっくるめて楽しんじゃいましょう。確かにスケートパークは楽しいですが、ストリートでしか味わうことのできないリアルな楽しみが外には転がっているので、いつもの安全地帯から抜け出しフルプッシュしてみてください。「井の中の蛙、大海を知らず」ではもったいなさすぎる! いつものスケートルーティーンが退屈で伸び悩み気味…そんなときこそ外に出かけるべき。ひとりでも仲間とでも、勝手のわからない場所に出向いてスケートするというアクションって、後々まで記憶に残る出来事が多いです。たとえそれが、日帰りのショートトリップだとしても。
間もなく梅雨も明け、夏本番! 何かと動きやすいこの時期、せっかくなら末長く記憶に残るスケートトリップのひとつやふたつはメイクしておきたいですね!
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)