久しく連絡も取っておらず、疎遠になっていた知人からLINEのメッセージが。見てみると、どうやら以前地元の仲間で作った動画が「迷惑動画」として拡散。アップロードした人を特定すべくFBにて情報発信されているのでした。炎上騒ぎや身元の特定の危機を感じた僕はすぐに連絡。すると仲間たちもちょうどその情報を察知していたところのようでした。
僕の地元とは沖縄県西原町。那覇市からは車で15分ほどの、少しばかり有名なマーブルレッジがある以外は大して目立ったところのない普通の町です。そんな町にも2000年頃にスケートブームが押し寄せ、総勢30人近くの小中高校生がスポットに通っては日々賑やかなセッションが繰り広げられたのでした。しかしひとりまたひとりと脱落していくのが世のつね。現在まで生きながらえてしまった残党はわずか6名。「うちらも集い出してそろそろ20年。記念にローカルのショートクリップでも作ろうぜ!」という仲間の声により撮影を進めていきました。BGMにもこだわり、「この曲しかない!」と熱望する友人がJ-Rexxx、紅桜、DJ Kajiらミュージシャンと直接やりとりを続け、「西原町のスケートシーンの発展に寄与できるなら」という厚意のもと楽曲を提供して頂きました。そうして一昨年の夏に映像はお披露目となりました。
そんな映像が今回「削除してほしい」との指摘を受けたのであります。声の主はどうやら映像に出てくるスポットの施設管理長。「映像を観てこの場所にスケーターが集まるようになり、被害を受けている」というのがFB上での訴え。よくありがちなヘイターかと言えばそうでもなく、「ストリートで無許可なんて当たり前なのは理解している」というスケーター側の気持ちに寄り添った意見も示していたこと。しかしながらそこの利用者が被害を訴えていたり、今後の事故やトラブルを避けるためにもこの動画を削除してほしいということでした。
仲間で話をした結果、その動画を削除し、僕の友人が謝罪の連絡を入れることに。思うと表立ったような悪さこそなかったものの、他のスケーターたちと同じように尖っていた若かりし僕ら。以前では考えられないほど大人の対応をする友人を見て「オレらも少しは成長したもんだ」と感慨深くなってしまった次第。そしてその対応はすぐに相手側にも伝わり、問題解決へと至りました。さらには「彼らが自由に遊べる空間も必要だ」という意見を添えた新しい投稿もアップ。各自で映像を作りネットに上げるのが容易になった現代、逆にそれは僕らの身元の特定や炎上の可能性も容易になることを改めて考えさせられることとなりました。多くのスポンサーを抱え、国内外のビッグコンテストで活躍する名の知れたスケーターであるほどなお気を使うべき問題でもあります。
何はともあれ、さほどの騒ぎになることもなく一件落着したわけですが、実は当初の投稿にはおそらく映像を観て名前を確認し、ネット検索でヒットしたであろう僕の画像が添付されておりました。それが以下の写真なんですが...これ少し前にふざけて撮ってた写真じゃないですか! くっそダセェ格好にポーズ…せ、せ、せっかく拡散されるのであればもっとまともに写っているのがよかったであります…すみません(笑)。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)