「ハイ!」。ということでようやく情報公開に踏み切ることができました。こちらVHSMAGが世に放つスケートショップ、Pager Tokyoが間もなくオープンなのはチェックされてますよねー(まだの方は今すぐチェック)。
そうです、そこでは僕がショップマネージャーとして勤務することになりました。春先ぐらいに、西新宿にあった事務所をいったん引き払うということで、その作業を少し手伝ったりはあったのですが、その時点でショップの構想があったとはつゆ知らず。そして5月も明けた頃、突然ヘッドハンティング、いやナンパされる形で僕もヒョイヒョイついて行くに至りました。まさに寝耳に水な話だったのですが、7月にはこれまで働いていた職場を退職してショップ作りに取り掛かり、いまそんな作業も大詰めのバタバタの最中にこの原稿を書いているところであります。
何を隠そう、僕はスケートショップでの勤務歴などありません。正確にいうと以前、仕事の暇な時に数日間だけHighsoxにてお手伝い程度に働いたことがあるものの、はたして何からどうやって進めていけばいいのかわからないことだらけ。なのですが、各地にあるショップにお邪魔してはその内装から雰囲気、そこに集うローカル達の様子を見て特色を感じてきました。その上で僕が思うのは、スケートショップたるものスケートボードに忠実であり、かっこよさを出したいのはもちろんなのですが、同じぐらい大事にしたいのは気軽に立ち寄れて、フランクで明るい場所であるということ。本来のスケートショップのあるべき姿を具現化していきたいです。
せっかくなので僕の心に残る、ショップスタッフの神対応をいくつか。ひとつめは僕が高校生の頃の話。今はあまりそんなことも少なくなりましたが、当時トラックのキングピンとはたまに折れてしまうものでした。キツく固定されたキングピンは、取り替えもまたひと苦労…かといってすぐに新しいセットを買うお金もありません。いつものパークで滑っていたところ突然折れてしまい、「キングピン代の数百円だけなら…」ということで駆け込んだ近くのスケートショップ。ショッピングセンター内にあるのですが、ピン交換の際にハンマーで叩く音は派手に出せません。しかしそう易々とは抜けてくれないピンを抜くべく、ショッピングセンターを出た外の歩道でトンカントンカン、そこでようやくピンは抜けたのであります。わずか数百円という金額に見合わない労力なのはガキの自分にも理解し得たこと。それを笑ってやってくれたのは当時のスタッフであり、今なおプロスケーターとして活躍する才 哲治であったと書き残しておきましょう。スケートと仕事に対する並々ならぬ愛情に心打たれた次第です。
ふたつめ、今はなきヴィンテージパーク、茨城はつくばの白幡公園に行こうと画策した時の話。スマホも存在していない頃で、その場所を突き止めるべく電話したのが竜ヶ崎市にあった旧Axisでした。電話を受け取った当時の店長(樋貝さんと言ってたっけ…)はそんな僕に情報をくれるついでに、「せっかくこの近くに来るならウチもいいパークあるから遊びに来てよ!」と誘ってくれたのです。そして店の仕事もそっちのけで一緒にセッションを楽しみました。まだ十代、右も左もわからぬ自分はそのフランクな感じにやられたというか、スケーターとして対等に接してくれるのがとても嬉しく、深く記憶に残っています。
これらは一例にすぎず、だいたいどこのショップに行ってもいい時間を過ごさせてもらってきたのですが、今度は僕がそのような場を提供していく側になりました。そりゃ売れるに越したことはないのですが、「ベアリングが1個飛んでった」「キングピンが折れた」「ワッシャーだけ欲しい」とか「特に買うモンねーけど寄ってみた」とかでもいいと思うんです。スケーターにとっての心地良い居場所aka駆け込み寺となれるのであれば嬉しい限り。最後にあらためてお知らせしますと、キックオフは9月11日(土) の12時。それではお待ちしております〜っす!
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)