なんと、群馬県にカリフォルニアが出現するだと…!? 何のことかと申しますと、この週末、群馬の桐生市に新しくオープンするスケートパークの話。このパークのデザインなんですが、カリフォルニアの名スポットを再現しているようです。
ひとつはサンフランシスコにある往年の名スポット、3rd & Army。「高さは膝下ぐらい、一直線に並ぶレッジと1/4円に湾曲したレッジ、その上部にはぶっといパイプが埋め込まれていて、さらにはステアもあるあのスポット」と言えばピンと来る人も多いことでしょう。いや、知らないのはマズいので、いまいちピンと来てない方はこんな原稿などスルーしちゃって、今すぐスケートビデオでコソ勉し、さも当然知っているかの振る舞いを心がけましょう。現地にDIYで盛られた部分が再現されていたり、水辺のある背景まで似ているのだから驚きです。そしてもうひとつは、ロサンゼルスにあるストーナーパークの再現。ここもまたLAを代表するパークで、ストリート的要素の強いデザイン。ひと昔前に滑りに行ったことがあるのですが、あちらこちらに散りばめられたセクションのひとつひとつに面白いものが多く、1日では遊び尽くせません。このふたつの名物をメインとしたパークが日本でも楽しめるっていうんだから、今後話題になること必至のはず。
施工は僕の勤め先でもあるMBM Parkbuilders。僕のいる班とはまた別の班なのですが、強面の…いえいえダンディなスケーター職人がこの秋口ぐらいから少しずつ形にしていってくれました。このスケートパークを作ってくれたのは「ボートレース」という競艇場を運営している組織。他には徳島県の鳴門市(Uzupa)や長崎県の大村市(Gruunおおむら)にも、それぞれ競艇場にパブリックの形でパークをオープンしているのですが、そのどちらもスケート欲を掻き立ててくれるようなデザインが特徴的。競艇場がどうしてスケートパークを…? 詳しいことはわからないのですが、莫大な資金を投じてパークを作ってくれるのは、きっとスケートボードシーンの未来に期待や関心を寄せてくれてのことなのでしょう。そしてどうやらこの動きは各地で今後も続いていくようです。何にせよスケーターにとってはありがたい話に他なりません。恩を仇で返すなんてことのないよう、スケーターがその場所を誰よりも大切にし、その場所を明るいものにしていけたらベストですね。
さて桐生に新しくオープンするパーク、どうやらプレオープンの現在すでにローカルスケーターが集まっているようです。ここまで書いてみましたが、自分も現地に行って作業したわけではないので、行くのがとても楽しみ。そういや昨夏ぐらい、弊社会長の木村が言ってたんですよ。「今度カリフォルニアを再現したパークができる。簡単に海外に行くことができない子どもたちもここで滑って、いつか本場に行ってブチかませられりゃイイじゃん!」と。近くの子どもたち! いや中身は子どものおじさんおばさんたちも、別にカリフォルニアを目指すでもない冷めたスケーターも、ガチャ大当たりなこの環境でたくさんテールを弾いてくださいませ。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)