先週末に渋谷の宮下公園にて開催されたJeepプレゼンツの“Lazy Skateboarding”。自分は特設パークの施工に携わったこともあり、のんびりまったりな日曜日は現地に。セクションの不具合などに対処するという職務のもと、フリーセッションの時間帯はカッチリバッチリ、スケートに勤しみました。隅々まで滑り散らかさないことにはその不具合や改善点を見つけ出せないですからねぇ〜うんうん。
そんな日曜日、スケートをする人、たまたま公園で開催されていたイベントを覗いてみた人など、ギャラリーを魅了するデモンストレーションライダーとして登場したのは5人のスケーター。高〜いポップとスキルで魅せる米坂淳之介&池田幸太。すべてのセクションでエゲツないトリックをサラッとやってのける池 慧野巨。自由奔放でエンターテイナー系スケートラットの吉岡賢人。そして忘れちゃいけません、新里孝明 aka ジュニア。「ん? どちらさん??」って思ったそこのアナタ。某デッキカンパニー首謀者の言葉を借りて申し上げると、「知らないのはリサーチ不足だよね。スケート見てない、もっと見た方がいい」。ニューカマーな激ヤバヤングではなく、地道にスケートを続け、度々雑誌やビデオに露出しては目の肥えたスケーターを「アッ」っと言わせてきたあのお方。相当なスキル、スタイルの持ち主ながら「アンダーレイテッド」という言葉が当てはまるスケーターのひとりでしょうか。
デモンストレーションに釘付けになりつつ(もちろんセクションの不具合なんかも出てこないか目視しているぞ)、それぞれの動きにバチッと喰らわされっぱなしの自分だったのですが、この日最も喰らわされたのがジュニアが捻り出した1発のトリック。ストレートの飛び出しバンクとその先に設置された鉄の柵。となると主な使い方はエアーや回しで柵を飛び越える or 柵をレールとして使う…という二通りのはず。各スケーターが持ち前のトリックを披露しながら、デモの進行に合わせて柵やバンクもその位置が変わっていきます。さてそこでバンクもレールもとある位置へと移動した途端にジュニア選手、ハイスピードでバンクに向かったと思えば柵越えオーリー to その先の隅っこに置かれたパーキングブロックにグラインドを当て込むっていう、誰もが想定していなかったトリックをメイク。それもパツイチ。超人級、無理ゲーなハンマーやテックというわけでもない咄嗟の動き、これを虎視眈々と狙っていたのかと思うと(実際は知らんけど)、グッとこずにはいられず、ついここで文章化してしまったのですよ。この流れや現場での空気感を伝えるには、まるで文章が追いついておらず歯痒いばかりっす。
しかしそれもシニア、失礼、ジュニアのこれまでのスケートをかいつまんで見てみるとまぁ納得。生息エリアは横浜にして、「どんだけシークしてんのよ!?」っていう無数のスポットで、地形に合わせたトリックをこなしてきたのがわかるはず。近頃も自身の所属するAREthやKaonkaから映像がリリースされたばかり。ジュニアを知らなかったなんて人はこの際リサーチしてみては?
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)