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ある意味ストリート
──間違いだらけ

2022.10.21

 スケート仲間の結婚式に参加するため、今年3度目の沖縄帰省をメイクしました。東京在住の新郎新婦はスケートショップを切り盛りしています。また夫婦そろってバンド活動の歴史も長く、披露宴にはスケーターのみならずド派手なバンドマン、飲んだくれなどロクでもない(旦那スピーチ)方々が県外から180人も飛行機に乗ってやってきたのですから、実に華やかな1日となりました。
 さて僕としては約半年ぶりの帰省。3泊4日の滞在のなかで確認しておきたいスケートパークがありました。20年近く前から存在するパークが只今リニューアル工事中との情報。それをSNSで察知したのが披露宴のつい1週間ほど前のこと。もともと謎設計なパークで、利用者もあまりいないさびれたパークなのですが、既存のセクションはそのままに、さらにこれまた様子のおかしなセクションがあれこれ追加されている…。国際的なコンテストに照準を合わせた作りや見るからにスケート欲のそそられるオシャレなパークが毎月のように全国のどこかしらでオープンするようになった現在。しかし僕の地元で現在工事が進んでいるのはそれとはかけ離れた、およそ2022年製のものとは思えないセクション、そしてその配置。「なんてこった…」の次に思ったのは、「でも面白そう(涎)」。それはまるで行政が昔に勝手に作ってくれたような、滑り勝手も良からぬ「ビンテージパーク」さながらの様相を呈しているのでした。3、40年前ならいざ知らず、この2022年にして、です。
 なぜこうなったのか。地元のシージャー(パイセンの意)によると、スケートに関しては無知なサーファーが行政にリニューアル工事を掛け合ったのがその発端。工事にかけられる予算の少なさや工期の短さもあり、見切り発車的に工事が進められたそう。さらにはその工事に関係した人がスケーター界隈との接点もなく、ローカルスケーターはもちろん、経験や見識を積み重ねてきたスケーターらにもリニューアルの情報の共有がなされないまま工事が進行されたと。ある程度セクションが出来上がった段階でそれを知ったスケーターらは寝耳に水という状況です。そんなこともあり、役所にはクレームが寄せられていたり、地元のスケーターらがいくらか手直しに入っているのだそう。そんな間違いに間違いが重なって出来上がりつつあるパーク。それでも出来上がってしまえば「変なパーク」として楽しめることでしょうし、それをSNSにアップしたところ案の定、モノ好きスケーターのみなさまから多くの反応があったのも事実。それはそれでまた新たな名物として歴史を刻んでいくのを期待したいところです。
 とは言え、それも僕があちこちパークを滑ってきたから思うことでもあり、そんなパークが出来たら残念だと思うのが普通なのかもしれません。もしも僕が10代で、地元にパークが出来ると楽しみにしていたところあの有様であれば頭を抱えていたことでしょう。ましてやパブリックパーク、税金が投入されて作られるパークなのだから非難が噴出するのも無理はありません。先のシージャーいわく「ローカルと行政の連帯、ローカルとローカルの情報共有が乏しかったのが原因だね」と。面積、スケートコミュニティともに小さな沖縄県ですら起こってしまったこの事例。広い全国でも二の舞が起きぬよう、情報にはつねに意識を張っていたいところです。
 「こんなモン作りやがって!!!」なのか「滑れる場が増えただけでもありがてぇ話じゃん!」なのか、はたまた「これはこれで…涎」なのか。みんなの大好きなスケートボードができる場所ひとつ巡っても意見はさまざま。スケーターの誰もが満足できる場所ってまずあり得ない話ですが、今後のパーク作りではスケーター間、行政間とのバランス感覚も非常に重要になってくるってことだけは確実でしょう。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 








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