今自分が住んでいるアパートは、杉並区の高円寺という少しカオスでクセ強めの面白いエリアにある単身者向けの1Kシット。家から駅まではプッシュで約3分の、まずまずの好立地。安心のセキュリティ、窓を開ければ東京タワーや街並み、澄んだ空気の日には遠くに富士山が見える...みたいなタワマンほどとは言いませんが、オルダーティーなアパートの1階でも住み心地は悪くないってところです。都心までは電車で10分足らずで出ることができ、庶民的なスーパーや飲食店も多く、特に不自由することはありません。そんなこともあり、予期せぬタイミングでスケーターが流れてきてはエアビー代わりにすることもしばしば。決して広くはない部屋には自分の他にもうひとり寝れば狭くなるくらいですが、最高で一度に5人宿泊したっていう前例もあったりします。そうそう、サンディエゴからクリス・コープとロンドンからケイシーってスケーターが流れてきて、汗と足の匂いが香ばしい国際交流会なんかもありました。先日も都内と新潟からヤングガンふたりがいきなり流れ込んできてそれは面白い1日となったばかり。
そんな僕のアパートも先月更新をしたばかりなのですが、そこで告げられたのは「これが最後の更新となります」とのこと。これは日々スケーターが出入りしては夜遅くまで騒ぎ散らかしてたり、彼らの足が臭かったり、デッキテープや使い古した板にスプレーを吹きかけたりしてるのが問題になりキックアウトを喰らったのではなく、ただ単に老朽化したこのアパートが取り壊しになるからだそうです。しかしなんてこった。僕は結婚してお嫁さんでも貰わない限りこの家を出るつもりはなかったのに、これから思いもよらぬ形で出ていかされるハメになるのであります。幸いにも最低あと1年住めば次の物件でかかる初期費用や引越し費用は全額負担してくれるとのことですが、かと言っても気持ちは乗りません。スケートギアから雑誌・DVDの数々、買ったり頂いたりして増えた服、収集癖がたたって増え続けるCDやレコード、食器や調理器具、家具家電…まだしばらくは住み続けるだろうと思っていたこの部屋にある道具の数々は、たまに断捨離することがあってもなかなかの量があるのです。それが近い将来引っ越しを余儀なくされるのが決まっているのだから頭が痛くてなりませぬ。そしてこんな時にだけ思うのです、「ミニマリストでいたかった」と。
早くてあと1年、遅くても2年足らずでこの場所でのライフ終了。次はどこに住むのか? 今より調子いい部屋に巡りあうことはできるのか? なんなら同世代の仲間はマイホームをゲットしてきてるけど、僕にもいつかそんな日が来るんだろうか? というか「引っ越しなんて面倒すぎてやりたくねぇ」…と鋼のメンタルが日々削ぎ落とされる毎日です。そういや『ヒッコスでひっこす』って絵本があったよな、どんなんだっけ…って調べたら表紙で主人公がスケボー乗ってるじゃねーか! これも何かの導きだよね、多分きっとメイビー。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)