この原稿がアップされるのは2021年の大晦日。今年も例年にもれずさまざまな出来事が起き、あっという間に過ぎていこうとしています。今年の年明けは里帰りでスケート、年納めも里帰りスケートと、スケートボードが軸にある生活を今なお続けております(親戚一同、白い目)。
仲間とわいわい滑るのも好きですが、ひとりでスケートに向き合うというのも面白いもので、時に普段はあまり行かないような少し遠くのパークなんかに行ったりするのも楽しみ。知り合いもそう多くはない場所に身を投じるのですが、やはり驚かされるのはスケーターの増加。それは東京都心から約1,500km離れた地元のパークやスポットにおいても一目瞭然。「自分がスケート始めた頃とだいぶ変わってきたものだ…」としみじみ感じつつスケートに打ち込んだと思ったらふと我に帰るわけです。「おっさんスケーター、この中でオレひとりじゃねーかっ!」と。普段行き慣れたパークならともかく、アウェイというかひとりで動いているとそんな事実にハッとさせられることも多くなりました。それもそのはずで、やはり中高生からハタチ前後のスケーター層が厚くなっただけでなく、自分と同世代は子育てという「真っ当な」理由も兼ねて滑りに来ている場合も多々。つまり派手な動きを連発する若手を尻目にしょぼいトリックに打ち込む、おっさんスケーターに成り下がってしまった事実を自覚せざるを得ないことが増えてきました。同世代の若者らでやり合っている中、そこにひとり滑っている自分はきっと彼らにとって異質物のはず…。
なんてことを言っていたら自分より年上のスケーターたちはもっと前からそんな事実と向き合ってきたはずなのですが、そんな彼らから時折発せられた言葉も理解できるようになりました。「この歳になるとまわりはキッズばかりだぜ」と。とうとう僕もそんな言葉を申し上げる年頃に差しかかってきたようです。オッケーオッケー、ノープロブレム。そんなこと気にして自分もスケートからフェードアウトしていくであろう将来はどうも思い浮かべられません。そしてこの正月休みもゆっくり身体を休めることなく鞭打ってしまうのでしょうが、やはり1番の気がかりは親戚一同の白い目に他なりません。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)