先日、RANDOMで紹介された「デーウォンが並みのプロではない15の理由」は大変面白い読みものでしたね。彼の人となりと、スケートボードにまつわるすべてのものに対する愛情と情熱が伝わってくる内容でした。記事に綴られた人柄が彼をよりいっそう魅力的なプロスケーターたらしめるわけですが、やはりそれ以前に、彼の超人的なスキルにやられっぱなしな僕らは、つい彼の能力を与えられた物、簡単に言うと「才能」という言葉で自分に納得させてしまうことがあります。
もちろん「才能」と呼ばれるものは確かに存在すると思いますし、それはすべての人に与えられていると信じたいです。そしてその「才能」を遺憾なく発揮できるシチュエーションにめぐり合うことができるかどうかが、「並み」でない存在になれるかどうかの分かれ目なのかもしれません。とはいえ、このめぐり合いはおそらくただ待っているだけでは決して訪れることはなく、ひたすら能動的に自己実現を積み重ね続けることでしか到達できない領域なのでしょう。そしてこの領域に達するまで決して諦めず、ポジティブに、楽しみながら努力を続けることのできる精神力を「才能」と呼ぶのかもしれません。
彼にまつわるストーリーの中で言うと、特に以下の部分に謙虚な「才能」を感じずにはいられません。
6. お小遣いを貯めてやっと買ったデッキのように扱う伝説。
7. キレてデッキを折らない伝説。
12. 毎日3回滑る伝説。
13. 昔からの友達と滑ってる伝説。
「並み」でない存在を目指していたわけではなく、気づいたら回りから「並みじゃない」というリスペクトを受ける。これが理想ですね。
そんな素敵な人間が存在することも、僕にとってスケートがいつまでも魅力的な理由のひとつです。
--TH (Fat Bros)