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──脳裏に残る1枚

2022.04.08

 有名なものや傑作と言われる過去のスケートボードの写真やアートワークは、今でも僕らの目に入ってくる機会や語られることが多いです。しかし言わずもがな、そのように世代を越えて語り継がれる作品となるのはひと握り。誌面や広告などに登場し一時の話題をかっさらうことができれば上出来といった具合でしょうか。
 先日、インスタグラム上に流れてきた写真を思わずスクショしました。それは広く知れ渡っている写真ではないと思いますが、紛れもなく僕の記憶に残っているスケートフォトの1枚だったのです。中学の頃、友達のひとりからもらった海外のスケート誌がありました。その中でもインパクトが強く、今だに僕の記憶に残っているのがこの写真。空港内に駐機する飛行機の下で、即席キッカーからあの四角いコンテナでのノーズスライド。シンプル&ダイナミック、そして飛行機が写っているのも映えている。そしてやはり「これどうやって撮ったの!?」というインパクト…これに尽きます。
 当時はただただ「スゲェ!!!」って感じで眺めていたわけですが、その写真についてより詳しく情報を探る手段もなく、というかそのような思考すら持ち合わせておらず、そのスケート誌は僕の部屋のスケート誌コーナーの片隅へ葬られたまま約20年の月日が…。ここにきてインスタグラムにその写真が登場、そこから得られた情報をもとに調べてみたのです。まずノーズスライドをメイクした主はステファン・レナートというドイツのお方。主に'90〜'00年代にヨーロッパのストリートやコンテストシーンで活躍し、40代前後だと思われる現在も精力的に撮影をこなしている模様。写真を撮影したのはヘルゲ・チャーン(@helge.tscharn)というフォトグラファー。'80年代よりカメラを持ち、スケート以外にもミュージシャンやストリートブランドなどの撮影を通してカルチャーを発信してきたのだとか。ドイツからブラジルに移住したのち再び帰国。近年では過去に撮影したスポットを再訪し、同じスポットの今昔を対比させた写真集を出したり、コロナ禍でひっそりとした夜中の街で建造物をスクリーンかつスポットに見立て、スケーターのトリックの瞬間をビームで投影し新たな見せ方をするという企画を発表したようです。そんな彼のインスタグラムを覗いてみると、そう多くない投稿の中に出てくる出てくる、トップクラスのスケーターの数々。そしてそこには他にも、「これ、見たことある」写真もちらほら出てくるわけで、自分の学習不足を痛感(涙)。
 ひょんな偶然を機に過去よりスケートシーンを支える人物の存在を、またひとつ学習した次第。しかし思うのは、記事や情報を見つけることはできなかったのですが、「あの空港での写真、どうやって撮ったんだろうか…」。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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