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──ポラライザー

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 「ポラライザー」といえば、スケートボード関連の情報収集に余念の無いモノ好きの方ならどんなものかピンとくるはず。幅6インチ程で長さも短いデッキ。デッキの表裏を反転させ、グラフィック面を上にして乗られることもあります。足回りはグラインドもできないほどの幅の短いトラック(元々トラックはスケートボード用ではなくローラースケート用を装着していた)、ソフトウィールを履いている場合が多い。'60年代のスケートボードを現行のパーツで再構築したようなモノであります。
 友達が持っているそのポラライザーとやらを試し乗りしてみたところ、見事にその魅力に取り憑かれてしまい、最近よく乗り回しています。言うまでもなくその板のサイズ感は、普段使用しているスケートボードよりずっと安定性に欠けます。板の両端にトラックが設置され、ノーズもテールもほぼないような状態、つまりはチックタックやキックターンといった動きも制限されます。ひたすらプッシュとパンピングの動きで進んでいくのみ。先ほどデッキの表裏を反転させることもあると書きましたが、そうすることでコンケーブが地面向きに反り、細い板でより深く踏み込むことが可能になるという説もあります。
 日に日に寒さが増していく今日この頃ですが、ポラライザー、特にパークなんかじゃウォーミングアップにももってこい。アールでのカービングを嗜みつつクネクネ進んでいると、一瞬にして身体が温まります。とは言えトリック用には作られていないはずのこのスケートボード、自分がいかにスケートボードに乗れていないかを突きつけてくるモノでもあります。「トリックもできない板で、何をすればいいのかわからない」なんて声も聞こえてきそうです。たぶん答えはありません。この板を使って、どこをどうスケートしていくのか、それを考えて試行錯誤を繰り返すのもまた面白い作業だと思います。
 なんだか普通とは様子が違う、スケートボードのようなそうじゃないような、変な板で滑っている人って怪しく見られがち。実際に自分も人をそのように訝しがった目線で見てきた部分はあります、「あれはスケボーなのか?」と。ともすればポラライザーもその一種になるのかもわかりません。現在のスケートシーンの一角でそれを提唱しているのはニール・ブレンダー。僕が若い頃、すでにレジェンド枠にいた彼のスケートはさっぱり謎でしかありませんでした。いま観ると最もスケートボードの深い楽しみを追究し、ジワジワさせてくれる最高のスケーターのひとりであるように思います。The Heated Wheelというデッキカンパニーを立ち上げ、自身のアートワークが施されたデッキ、のみならずポラライザーのデッキもリリースしている稀有なスケートカンパニー。脳内にはスケートボードのことしかないようなUnderdog Distributionという代理店が日本国内で流通させています。これをスケートボードと呼ばずして何と呼ぼう…?
 なんてこと書きつつ、自分はまだポラライザーを所有していないのです。そろそろ買い揃えるか。いや、ほしいものリストにアップするのでプレゼントもお待ちしているぜ。街はいよいよクリスマスシーズン。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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