スクールヤード、日本語で校庭と呼ばれる場所は部活生らが汗を流し、友達や恋人との絆を深め青春を謳歌するところであります。そこはまた、先生や事務員らが職務を終えると、我々スケーターにとっても良き遊び場として機能してくれます。残念ながら都内では高校以下の学校施設においては、学生たちが活動している時間しか校門は開かず、いざ侵入しようものならどのような処遇を受けるかわかりません。おそらく地方に行くほどセキュリティはユルく、僕も仲間と連れたって地元の幼稚園から大学にいたるまであちらこちらのスポット探訪を楽しみましたし、ローカルビデオでは数々の学校スポットが登場しております。
若気の至りと言うのでしょう、そんなスポットだけでは飽き足らず、通っていた学校の校舎の中でスケートすることもありました。ツルツルで硬い廊下で弾くテールは気持ちいい音を鳴らします。黒板前の教壇はちょうど良いマニュアル台。もちろん先生らにバレるとタダじゃ済まないので、見つからないようにやる…そんな背徳感も校舎内スケートを楽しくする要素のひとつでした。
ところで近年、廃校となった場所がスケートパークとして生まれ変わる事例を耳にするようになりました。教室や廊下に残された備品がそのままスケートセクションとして活用されたり、プールや体育館だった場所をパークにしてみたり。いずれ解体を待つのみであった建物がスケーターにとって最高の空間へと様変わりするのだから、まさしく有効活用。
2000年代前半の東京にも学校スポットの先駆け的存在が確認できます。体育館の中にセクションが置かれ、ステージ上にランプらしきものも…当時ビデオや雑誌を通して見ていて「WTF!?」と驚いたその場所とは、池袋からほど近い雑司ヶ谷少学校の廃校が決まり「夏休みの間だけ条件付きで使っていいよ」な物件だったそうな。あの場所でのスケートセッションに憧れたのはきっと僕だけではなかったはず。
余談ですが、僕の通っていた高校は元プロボクサーの具志堅用高の出身校としても知られております。当時インタビューで「母校の伝統は?」との質問に「…ナショナル(の電灯)」と答えたというのは、今でも語り草となっています。ちょっちゅね〜!!
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)