ここ最近、ニュースなどでやたら見かけるのが「撮り鉄」による問題の数々。撮り鉄とは書いて字のごとく、鉄道マニアの中でも写真撮影に特化する類。珍しい車輌を写真に収めるべくホームに押しかけ、通行の妨げになったかと思えば注意する駅員に悪態をついてみたり、撮り鉄同士の揉めごとが暴力事件に発展したり。かたや郊外では私有地に無断侵入して撮影し、植物を踏みしだいては景観を損ねる。また線路内に侵入して電車を緊急停止させるという問題も頻発しています。おそらく心ない一部の行動だと思われますが、彼らのせいで全体のイメージは悪化するばかり。
「マナーもあったもんじゃない、クソどもめ」。以前からその手のニュースを見るたびにそう憤ることもあったのですが、あることに気がついてしまいました。「撮り鉄のヤツら、スケーターと何ら変わらない行動じゃないか…(汗)」。パーク専科はともかく、ストリートを主戦場とするスケーターが日常茶飯にやっていることは彼らと大差ないのであります。建物の敷地に勝手にお邪魔しては縁石やステアを本来の用途でない使い方をする。それが原因でやってくるセキュリティや警察官に盾突き、それすらイケてると勘違いさせる風潮。あるパークではスケーター間の些細なトラブルが原因で警察沙汰の暴力事件も起きたようですし、全国各地のパークでスケーターの放置したゴミと吸殻の問題が毎日のようにSNSにアップされています。「マナーをわきまえない一部の人が…」とはよく言われるものですが、もはや一部とも言えないレベルまで来ているように思えてなりません。きっと心当たりのある方も多いことでしょう。
そんなこと書いてはみたものの、僕は「やっぱりストリートで滑るのが一番楽しい!」と思う側の人間です。スケートボードも迷惑なニュースとして取り沙汰され、悪い印象を持つ人も少なくないはずです。しかし幸いにも「何か面白そうなことやってる〜!」と好意/好奇の目で見てくれる人の方が多いようにも思います。スケーターの素行不良が目立ちすぎた結果、そんな人たちまでアンチに走ってしまうようなことになれば、それは残念なこと。正直、撮り鉄の人らがどうしようと知ったこっちゃありませんが、それも「人の振り見て我が振り直せ」で上手く立ち回れるスケーターが増えるのを望むばかりです。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)