前回は「滑りがキッズ」というタイトルでちょいとディスも含んだ内容を書いてみました。それに対して今回は「滑りがオッサン」をテーマに、思うままに書いてみようと思います。
いい歳したオッサンスケーターなんて今や珍しいものではなくなりました。それこそ20年以上も昔、まだ中坊の僕からすれば30歳近い男=オッサンという認識だったのですが、当時はそんなオッサンのスケーターなんてなかなかいませんでした。いざ見かけては「オッサンなのにスケボー乗ってる…!!」と得体の知れないような、触れてはならぬもののように感じていたのも確かであります。ありがたいことに現在は年季の入ったスケートボード常用者が今もなおスケートしまくっているおかげで、当時僕がオッサンと思っていたよりもさらに歳を重ねたオッサンになっても特に珍しがられることもなく、得体の知れない者として見られることもないように感じています。
また、中坊だった当時は「オッサンスケーターは滑りもオッサン」というように見えていたのも事実。10代そこらと比べるとどうしても身体の柔らかさや動きのしなやかさというものが失われていくため、いくらか鈍臭く見えたのも間違いではないはず。いざ、そう思って見ていた年齢もとっくに過ぎた現在の自分でありますが、その当時と比べてスケートがやりづらい身体になったかといえばそうも感じません。同年代、それ以上のスケーターの昔と今を見比べても、若かりし頃と動きが変わっていない…むしろ進化しているって人も少なくないんですね。日々磨いている人ほどそう思わせてくれるのも、国内外のイケてるスケーターが実証してくれています。
あの頃「滑りがオッサン」のように見えていたのは、10代ならではの特殊な眼差しだったのか…。それともいざオッサン世代になった僕がつい自分らを美化し、動きがオッサンになったことを認めようとしていないだけなのか…。
余談ですが「アールでトラック当てただけで歓声が沸くぐらいのオッサンになりたいぜっ!」という友達の呟きがいろんな意味で秀逸で、今でも頭から離れません。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)