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 昨年頃からインスタグラムのさまざまなアカウントを通して飛び込んでくる、とあるスケーター。メガネをかけていて、白と赤のストライプシャツ、足元はチェック柄のスリッポンがキマッています。誰だろうと思い覗いてみたところなんとビックリ、彼の名はクリス・プルマン。
 ビックリしたというのはその時に彼の名前を久しぶりに聞いたから。イギリスのスケーターで’90〜'00年代にFoundation、Heroinのライダーとして活躍し、僕も雑誌やビデオを通してそのスケーターのことを知っていました。ですが当時まだ若造真っ只中の自分にとって彼のスケートはなんだかピンとくるものでなく、今となってはすっかり忘れかけていた存在でした(アイムソーリー)。
 入れ替わりの激しいスケート業界においてはたとえひとたび名前を売ろうとも、SNSを有効活用するかメディアに頻繁に登場するでもない限り、今をきらめくスケーターの影に隠れてその存在感も日々薄れていってしまうものです。そんな世の中でもあり、クリス・プルマンこそ自分の記憶から遠のいていたプロスケーターのひとりでした。SNSを活用するでもなく、映像で見かけることもない。実際には、ここしばらくの間は自身のアイデンティティたるものを見失い、メンタルを崩してスケートボードからも遠ざかった生活を送っていたようです。ところが40代も半ばにして再びローカルシーンにカムバック。キラートリックであるノーコンプライを中心に、心なしか若い頃より颯爽とスタイリッシュに、そして何よりもスケートを楽しむ様子がSNSや映像を通して伝わり、「イケオジ」っぷりを発揮しておられます。その反響も大きかったのでしょう、最近Heroinからプロモデルが再度リリースされています。過去のモデルの再発ではなく、HeroinというブランドのDNAを形成してきたこと、そしてシーンへのカムバックを祝福して、彼の2度目のプロライフとしてのリリースとなったようです。
 余談ですが最近このHeroin、ブランドの名前が名前だけにインスタグラムの運営陣に麻薬関連の疑いをかけられ、アカウント停止を喰らうというハプニングに見舞われています。2、3度と新しくアカウントを作り直すもまたすぐに垢BAN。「自分たちはずっと活動してきたスケートブランドであり、麻薬組織どころか人に麻薬を勧めたことすらありません!」という訴えもあり、しばらくしてアカウントは無事復旧。本原稿はその復旧に安堵した記念カキコ。めでたしめでたし。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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