多感な頃に影響を受けたアーティストの活動や活躍。それらは大人になっても変わらず輝かしいものであり、どれだけ時間が過ぎても好きのまま。家のラジカセ、親の車の中、ポータブルプレーヤーなどで飽きるほど聴いたはずのアルバムは今なお飽きることなく聴いています。自分のお気に入りの1枚がJPC Bandの『ぬ』というタイトルのアルバムで、その昔に情報感度高めなスケート仲間が貸してくれたもの。和のエッセンス強め、独特なサウンドを紡ぐバンド演奏をバックに韻を踏み、マイクを握っていたのはスケーター・米坂淳之介。リアルタイムでチェックしてた現在オーバー30のスケーターもきっと多いはず。初耳な少年少女は今すぐアマゾンをチェーック!
そのアルバムの収録曲の中でもフェイバリットは“河童”という曲。ざっくり言うと「東京コンクリートジャングルの川をバイクに跨り遊び場をシークするぜっ!」と僕は解釈しているのですが、バイクをスケートボードに当てはめて聴いてみても面白いと思うんですね。なんつっても遊び場、つまりスポットを開拓する行為というのは間違いなくスケートの楽しみの中核にあるもの。見つけたスポットを怪しげに眺めながら実際にやる・やらないはともかく「そこで自分なら何やるだろうか?」と考えてみるだけで脳内が活性化されていく気がしてなりません。
さて最近仕事の移動中に見つけて気になっていたスポットを仲間とチェックしに行く機会がありました。23区内にしてキックアウトもさほどなく、滑るには諸々好条件な割にSNS上でもほとんど見ることのない穴場的スポット。年長組と思しきスケーターの話だと、「20人近くのローカルがそこに集まり、ハタチ前後の若いスケーターらが頑張ってセクションを作り、管理している」とのこと。一方、ゴミの放置や禁止されている夜中に滑って問題を起こすスケーターも一部若い連中にいて、注意しても改善されないことに頭を抱えているようでした。全国各地から聞こえてくるようなこの手の問題。やはり一部のスケートマナーに欠けた人間の行為で善良なスケーターにまで迷惑がかかるのはよくある話ながらイケてない。
そしてこれまた最近、家のすぐ近所を開拓しているとなにやら元来あった公園が拡張工事中なのを発見。ワンチャンコンクリートで舗装されたらなかなか良いチルスポットになりそうで、人知れず期待を寄せているところです。と同時にそこが存続していけるような行動も求められるな…とひとり考えているこの頃なのでした。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)