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リアルシット
──糞闘

2022.08.12

 スケーター目線で見て、それがどれだけ遊びがいのありそうなスポットだとしても、それを阻む要素も付き纏うもの。それはセキュリティだったり、僕らの街遊びをめざとく見つけては通報するヘイターや駆けつけるお巡りさんの存在。そしてスケートストッパーなどによりスポットはその役目として機能しなくなり、本来のなんでもない存在になっていきます。
 スケートがしづらくなる要素をあえてもう1点追加させてもらうとすると、糞まみれのスポットがまさにそれ。鳥が多く飛び交い、巣を作るような場所ほど糞まみれなわけです。そしてそれが高架下などの雨が凌げたり、比較的良スポットだったりするんすよね…ドンマイ。僕のテキトーな経験上だと、そんな糞まみれスポットでも気にせずスケートする人が3分の1。極力こけないようにソフトに攻めるのが3分の1。まったく滑らないのが3分の1。そのようなスポットにおいては知らずのうちに靴底やウィールでホヤホヤのそれを踏んでいたり、それがグリップテープに絡みついて悲惨な状況になったり、上から糞爆弾が落とされたりと、そんなリスク込みでガッツリ攻める人にはリスペクソ、いやリスペクト。自分はソフトに攻める派だったはずですが、いつからか滑らない派にしれっと移行。
 日本のみならず海外でも言えるのですが、ビデオで見ていたあのスポットやパークなんかも、実際に見てみると糞まみれ…なんてことも少なくありません。先日Thrasherからトリックヒストリーを集めたビデオが公開され話題となったチャイナバンクス。スケート欲がそそられる、言わずと知れた有名スポットなわけですが、糞害レベルも実に高し。メッカのひとつとして過去に巡礼した際、自称潔癖症の自分はそれに萎えてしまい、あっさりとその場を後にするのでした。みなさま、メイクドラマの裏側では派手に転んだりもしているのですが、汗と糞まみれになることを考えると…ちょっと無理。
 僕の自宅の近所にもある糞スポット。近隣に住むスケーター間では言わずとしれた想像力を掻き立ててくれるようなスポットながら、僕はいまだに攻めきれずにおります。しかしそんなことはものともせず、自身の創造性を映像に収めようとそこで糞闘、いや奮闘している某著名スケーターの姿も目撃されているとかいないとか。彼はその後トリックを無事に収めることができたのだろうか? 僕はその結末を知らないのですが、できることであればメイクと転けるシーンの両方が見てみたいものです。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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