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賛否両論のNEWメディア
──スケート系ユーチューバー

2020.06.26

 「スケート系YouTuber」の数が徐々に増え、珍しいものではなくなってきました。どのチャンネルも趣向を凝らした内容や編集で観るものを楽しませていて、再生回数の多さにもそれが裏付けられているように見えます。有名どころにもなると、パークでキッズの目を釘付けにするのは上手なスケーターじゃなく、YouTuberの方なのだとか。コンテストやストリートでスキルを発揮できる者がシーンに影響を与えるのがこれまでの世の常でしたが、独自のやり方で発信するYouTuberたちの存在感も日に日に増してきています。つねに上を目指して滑り続けるスケーターの努力もさるものながら、企画の考案から撮影・編集に至るまでマメな作業に追われるYouTuberだってきっとラクじゃないはず。
 そんな中、最近驚いたことといえば池田幸太と米坂淳之介が相次いでチャンネルを開設したこと。シーンの先端に立ち酸いも甘いも見てきたであろう彼らによる動画は自然と説得力も伴うってもんです。YouTuberと聞けば「ハイどうも〜!」なあの感じでウケや炎上を狙いがちなイメージも否めませんが、いたって自然体、日々の生活にYouTubeを取り入れては楽しんでいる様子。そんな彼らによるトリックのハウツーや日々のセッションを収めた動画をチェックするだけでも人となりなんかが見えてきて、意外な一面を知ることもできるのかもしれません。
 YouTuberの存在感がますます強くなっていく昨今。これまで大多数であったはずの、一方的に情報を受け取る側の人も発信する側へと回り、世の中に影響を及ぼすことが可能となってきました。一方、全然イケてないスケーターが安易にYouTubeデビューをして有名になってしまうこともあるでしょう。また世間におかしなスケーター像を示してみたり、パートやフルレングス作品の制作をはじめとする攻めの撮影そっちのけで守りのYouTuber活動ばかりに落ちぶれたりすることもあるでしょう。そんな弊害も生まれてくる気がしてなりません。
 YouTubeは自分たちの生活にさらに溶けこみ、既存の媒体に取って代わるようなメディアとなっていくのか。それとも一過性の流行りで終わるのか? 僕らは今まさにそんな歴史の狭間を見せられているような気がしています。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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