Nike SB Dunkをはじめ、コラボや限定スニーカーの転売ヤー防止対策を面白く思っています。いや、面白いと言うと語弊がありましょうか、その試行錯誤が興味深かったりします。発売されるや否や押し寄せてくる購買客、加えて電話やメールでの問い合わせ。昨今のスケートボードバブルによりただでさえ忙しいスケートショップをより一層忙しくする売れ筋商品に悲鳴を上げる従業員の姿も垣間見られます。
それもそのはず、実店舗でもオンラインでも発売とともに即完売、その日のうちに10倍以上もの価格で取引きされるのはみなさんご存知の通り。1足の転売で海外旅行に行けたり1ヵ月生活できるほどのマネーが入ってくるのですから、転売ヤーが多く押し寄せてくるのも無理はありません。一方で、転売防止策のひとつとして購買客になんらかの制限を設ける店舗も見られます。転売のために買うのではなく、純粋にそれが欲しい、使いたいという善良なカスタマーに商品が供給されるための店舗側の創意工夫を僕は興味深く見ているわけ。
例えば、オンライン販売の場合だとパスワードの入力を条件にしたり、スケートに関するクイズを設け、正解者から順に購入できる制度を導入したりといったもの。実店舗だとシューズボックスを店側で処分することを条件に販売したり、普段滑りに行くときのマイデッキ・マイシューズをドレスコードに指定しそれを実践した者のみへの販売、購入後にその場で着用しオーリーができる(靴に傷が残る)人のみへの販売…といったように少々ハーコーな対策を取る店舗もあるようです。聞くところによると「ワケのわかんない転売ヤーの手に渡るよりも、もし仮に転売されたとしてもそれがスケーターであり、その人の生活が潤う方がマシだ」というのがショップ側のホンネのようです。
そんな世の中や転売ヤーに対するアンチテーゼかはたまた熱狂的なファンなのか。即完売・プレミア価格で取引きされるシューズをゲットし、颯爽とスケートで着用するスケーターの姿もまれに見かけます。スケートシューズなのだからスケート用に使われてしかるべき。言ってみれば転売でハスリンするより、観賞用に捕獲するコレクターより、それを履いてスケートして穴を開けてるヤツの方が100倍かっけぇってものさ。何食わぬ顔でこれ見よがしに(?)履いて滑っている、そんなスケーターも決して嫌いじゃないっす。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)