ギアのブランドからサイズ、スペック然り、スケシューも然り。基本的に同じものを使い続け、安心・安定を求める人がいると思えば、新しい物や変わった物が好きであれこれ試したい人もいます。僕に関しては後者になるのかな。新しく使ってみたギアやシューズが調子良ければ最高。おかわりすることもしばしば。一方で自分に合わないと感じてもなるべく我慢してそれを消費していかなければというリスクもあります。自分に合わないものをいかに手懐けるかってのも、僕はゲームのひとつとして考えております。どちらかと言えば罰ゲームみたいなもんですが、それもまた学習代ということで自分に言い聞かせております。
しかしスケシューに関しては、ここしばらくスリッポンタイプのものを続けて履いています。僕はPossessedを愛用しているのですが、なかなかこれから離れられそうにありません。着脱もラクでラフに履けるのはもちろん、靴紐を結んだり解いたりという作業や、紐が切れることで生じるプチストレスから解放されるってのがデカイ。「どうしても紐がないと安心できない…」って人も一定の割合いるものですが、そのこだわりも特にない人には超絶オススメしたいところっす。
かく言う自分も実際に履くまでは不安に思うことも多く、長い間トライすることがありませんでした。というのも10代の頃。非スケートブランドのスリッポンで試しにスケートしてみたところ大大大失敗。衝撃が痛い、そっこーで穴が空く、タンの部分に当たるゴムも切れるの三重苦で2週間ほどでRIP。そもそもスケートシューズじゃないので当然なんですが、想定外の悲惨さにお手上げ。「オシャレは我慢」ともいかないことを学習したのでした。それから十数年、「騙されたと思って一度履いてみ」という仲間のアドバイスもあり、重い腰を上げて試してみたところ感動してしばらく愛用中。
今でこそスリッポンタイプのスケシューをリリースしているブランドも増えましたが、昔はそう多くありませんでした。スリッポンはVansくらいしかなく、それもインソールが薄かった初期のもの。そんな薄いスリッポンを履いてデカいトランジションからステアまで攻め上げるTNTには痛く影響されたものであります。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)