廃校にセクションを設置し、スケートパークとして有効活用されるパターンが増えています。主に体育館やプールといった路面がキレイな場所はスケートボードとの相性も抜群! 教育の場である(元)学校という場所で、不健全なカルチャーを少なからず含んでいるこの遊びが認められているというギャップも、ちょっとした高揚感をもたらせてくれるってわけです。廃校の新しい活用方法として定着しつつあるこの手のスケートパーク、自分もそのいくつかに足を運んできました。
学校の中でスケートボード。そもそもパークもそう多くない頃、僕の地元では校内にスネークし、滑れそうなスポットを探し出し、時に撮影に臨むというようなことが日常でした。ローカルのビデオなんかにゃ今なお学校内で撮影されたクリップが当然のように使用されてたりもします。日曜日など学校が休みの日に仲間と連れ立って滑りにいくのが定番の動きになるのですが、そもそも鍵がかかることもなく開放されていて、先生も警備員もいない、怒られるリスクも当然低いという手頃なスケートスポットなのです。そこにはステアやレッジ、マニュアル台、レール、ギャップ、バンクといったおよそスケーターの好きそうな物件となり得るものが点在するわけで、それらを見つけ出しに仲間と動くってのは宝探しみたいなもの。地元で過ごした10代、中学校や高校の校内でのスケートは、年齢も近そうなお姉ちゃんたちが部活に励む様子をチラチラ伺うってのも楽しみのひとつ。でもやっぱり自分が過ごした小学校なんか、卒業後数年経ってスケーターという観点であれこれ攻めたりしたのは、学校での新しい遊び方を見つけたような気がして楽しかった思い出。
比較的スケートに寛容な自分の地元。全国的にはその辺、どうなんでしょう? 自分は少なくとも上京してからというものの、都内の学校に侵入して滑った試しがありません。だってここではスケートはおろか、侵入すること自体がイリーガルな雰囲気が漂ってて、警備員とか日曜でも当たり前に常駐してそうだし、近隣住民に即通報されそう。そうとなると不審者でしかないわけでありまして…。いくらか勝手のわかっている地元だと今でも仲間と滑りに行くこともあるのですが、ふと考えるとそんな自分ら世代もイイ歳になっているわけで、そんな連中が学校に侵入してスケートボードしてるなんて世間一般的にはおそらく不審者であることには変わりないんすよね(笑)。
小、中、高校のみならず広い大学の中こそスポットの宝庫だったりもします。実家の目と鼻の先に、まるでプラザのような絶好のスポットがあり、昔よく滑りにいったものです。そしてつい5、6年ほど前の話。そこに若手のスケーターを案内がてら滑っていたところ、近づいてきたのはかつての同級生。どうやら社会人を経て、そこの大学に進学しなおしたみたい。「勉強してる人たちもいるから、そこで滑るのは良くないんじゃないかな」。最終的にそうやんわり注意された時は、さすがに言い返す言葉も出てこなかったとさ。おれ、スケボー始めたての時にオーリーの仕組みを教わったのは隣のクラスのそいつだったんだけどな…。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)