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トラブらないのがリアルストリート
──ヒヤリ・ハッと運転

2022.12.09

 東京都心部でのストリートスケートの結果、多額の賠償請求事案発生…。何万、何十万という請求額はこれまでにいくらか耳にしたことはありましたが、今回は3ケタだとかそーじゃないとか(噂だと209万)。
 宝くじを当てるぐらいの確率で起こった不運であって欲しいのですが、これはまさしく「ストリートスケートのリスク」のひとつ。縁石やレール、壁、その他諸々のストリーターが好物とする楽しいオモチャのあれこれには物理的、つまりはケガをする可能性に加え、目には見えにくいそのようなリスクが常々潜んでいることを心に留めておかなくてはなりません。「ここ攻めても大丈夫か否か」という判断を周りの雰囲気や空気から感じ取る能力、そして有事になる前に瞬時に行方をくらませるだけの動き方など、ゴキブリさながらの身のこなしでサヴァイブするほか方法がありません。
 対物もそうですが、対人や走っている車もなおのこと。日々アップされるビデオやSNS投稿を見ていて、「いやコレ、普通に歩いてる人を怖がらせてるじゃん」って思うのも少なくありません。ひとつのトリックやラインをメイクする、それはもちろん素晴らしいことなのですが、明らかに歩行者を邪魔していたり、走っている車に急ブレーキをさせてしまっているのは個人的には減点。海外では知りませんが、ヘイトも数多くいる日本でのこのような行為は炎上案件にも発展しやすく、スケートカルチャーが根付くのを阻む要因にすらなるって僕は思うのですよ。
 あまりパッとしない地元でスケートして育った10代の頃。通り慣れた歩道をプッシュ中、1段下りた車道に得意のキックフリップ! がしかしデッキは半回転で失敗、残念…と思った矢先、背後からすごいスピードで僕を交わす車が。得意であるはずのキックフリップ、いつも通り乗ってたとしたら僕は車に轢かれ、今頃この世にいなかったかもしれません。運転手もさぞかし息が止まる思いをしたことでしょう。そんな背筋も凍る体験をして以降、「ストリートでは人や交通に気をつけながらスケートをする」ってことを念頭に置くようにしています。
 人や車の通りがあるのであれば、ぶつかる・ぶつけるというリスクを極力減らすよう努めなければなりません。場合によっては周囲を確認しゴーサインを出すスポッターの仲間も必要です。これに関してはいくら気をつけても、気をつけ過ぎってことはないんすよ。車に轢かれたり、怖〜いお兄さんにぶつけてたっぷりシメられてからでは時すでに遅し。スケートしているとムダなハラスメントに迷惑することも多いものですが、普段迷惑をかけがちなのは誰でもなく自分たちスケーターであること、その認識を忘れずに減らせるリスクは減らしたうえで、街を上手く徘徊したいものです。ホイホイごときに騙されないゴキブリみたいにね。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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