「女性がたくさんいる理事会は時間がかかる」という発言が女性蔑視にあたると問題視され、東京五輪・パラリンピック組織委員会の代表を務める森 喜朗が国内はおろか世界中から猛バッシングを受けています。その後発言を撤回、会見を開くもそこでの態度や発言から「逆ギレ会見」とさらなるブーイングを招く結果に。この方、今から20年前には短命ながら内閣総理大臣も務めていたのですが、当時から失言連発と老害 of the Yearを地で行く人。この原稿執筆時には動きは見られませんが、今後の進退も気になるところです。
いよいよ東京オリンピック開催の雲行きが怪しくなってきた今日この頃。なんといってもスケートボードが競技に加わった初の五輪なので今回は特にその動向から目が離せません。スケートボードが正式種目に決まり、僕らスケーターが感じる環境の変化とはだいたい以下のようなものでしょう。「スケーターが増えた」「パークがあちこちに建設された」「スケートボードがより認知されてきた」「スポーツ的な滑りをするスケーターが増えた」。一方で「迷惑行為として問題になることが増えた」というネガティブな側面も。「スケーターが増えた」に共通する内容ですが、女性のスケート人口が増加しているのは昨今のシーンを見れば一目瞭然。地域差はあれど、僕の肌感覚だとスケーターの男女比が一昔前は98:2だったのが、今は88:12ぐらいにまで増加したように思うのです。それに伴いレベルも向上、男子顔負けのイケてる女子があちらこちらに出現しているのです。
最近女子スケーターも含めたグループで街をプッシュしたりスポットを攻めたりという機会が何度かありました。そこでなんとなーく感じることがあるのです。「アレ? 野郎どもだけで滑ってるより通行人の目が優しくないか?」。セキュリティやお巡りさん、スケーターを白い目で見てくるような人も、そこに女子スケーターがいるだけで心なしか当たりが強くない気がするのです。そんな恩恵も受けているように感じている昨今のスケートボード。昔は「不良(男子)のスポーツ」とも呼ばれることもあったのですが、女子スケーターの増加でより健全でナイスな印象へと変わっていけたら最高! これぞ「スーパーギャルパワー」。そんな僕の意見が「女性蔑視」だと騒がれ、スケートコミュニティ内で炎上の火種とならぬことを切に願います…。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)