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知らないとアウト!?
──タブー

2024.07.12

 事を荒立てぬよう、ここではなるべく辛口トークやディスを控えめにしているつもりですが、本日はいつになく直球で参りましょう。今回のテーマは「スケートボードにおけるタブー」について。自分の思うスケートボードのタブー、それはズバリ「モンゴプッシュ」であります。何を今さら…ではありますが、考えてみておくれ。基本的にこんなのは、モンゴプッシャーのいないところで交わされるディスってヤツです。それをどなたでも読むことができるこの場で発信しているのです。世の中にはモンゴプッシュをするスケーターが一定数いて、自分の知っている中にもそれはいるわけです。なのにこんな原稿を執筆するとは、僕はそのうちハードコアなモンゴプッシャーからぶん殴られるのかもしれません。
 それでも言いたい。「モンゴプッシュはタブーだ」と。人を口撃し傷つけるつもりはないので言い方を変えると、「モンゴプッシュはもったいない」。どんなに上手に滑ろうが、個人的にはモンゴプッシュってだけでその人のスケートの魅力は50%オフなのよ。'70〜'80年代はともかく、現代のメディアに登場するような注目スケーターにモンゴプッシュをする人なんて存在しません。それがスケートを始めて間もないビギナーであれば、「そのプッシュのやり方は絶対に矯正したほうがいい」ってアドバイス(お節介)できるのですが、長く続けている人であるほどその言葉を投げかけにくいってもんです。逆に言うと、それさえ直せば一気にイケてるスケーターに様変わりできるチャンスでもあるってこと。学校にひとりはいたような、ボサっとした髪と眉を整えたら実はイケメンだったとか、メガネを外したら美女だったとか…そんな感じ。
 スケートを始めた頃、同じ学校にモンゴプッシュのスケーターがいました。そもそも「モンゴプッシュ」って言葉も知らないくらいの頃だったのですが、そいつのプッシュを見ては言葉で言い表せぬ違和感を抱いていた記憶が。そしてその違和感は決して間違いではなかったのです。やがて自分がフェイキーやスイッチを覚えていくときにも、そのようなプッシュ(この場合においてはスイッチモンゴa.k.a.スウォンゴ)をしないよう、スイッチプッシュの練習から始めました。練習というか、いつも通ってたスポットの帰り道、「ここの200メートルだけはスイッチプッシュ!」というように自分にルールを課し、1週間も経った頃にはかなりものにしてたはず。モンゴプッシュの主でも、普通のプッシュがまったくできないワケではないでしょ? わずかな努力で矯正できるんです…しない手はないんすよ。
 それでもモンゴプッシュの信念を貫くのであれば、それもまた自由。「モンゴプッシュってクソかっけーっ!!」ってみんなに思わせるようなヤツが現れたのなら、たぶんソイツのひとり勝ち。これまでの歴史をひっくり返すことになるからね。なお、フェイキーやスイッチスタンスで乗る際にスイッチプッシュではなく、スウォンゴで行く層は根強く存在します。美学がある上であえてそうしている人も多いようですが、賛否両論あるその件についてはまた何かしらのタイミングで。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)
 



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