「東京駅」と聞いて思い浮かぶのはあのレンガ造りの駅舎、そしてそこからあちらこちらへと走っていく電車。数多くの飲食店やお土産店が並ぶ駅の地下街も賑やかでイイですね。駅の周辺といえば立派なビルが並び、これこそ人の思い描くであろう「東京の街並み」を形成しております。歩道もきれいなタイル敷きのところが多く、そこらをプッシュで流すのも気持ちがいいものです。言うまでもなくその一帯は我々スケーターをウズウズさせるスポットの宝庫となっています。少し歩いただけで、スケートビデオやSNSに登場する「有名スポット・定番スポット」をあちらこちらに見つけることができるでしょう。東京名物「瞬殺キックアウト」を除けばそこはパラダイス以外の何ものでもありません。あれだけ多くの建物が並んでいるはずなのに、つねに建物の取り壊しと建設が繰り返され、スポットの新陳代謝が進行形で続いています。
さて、そんな東京駅近辺にまたひとつ、正常な意識を持ったスケーターなら素通りするはずのないような形状の物件が現れました。しかし聞くところによるとそこはスケートすべきでないアンタッチャブルな場所であるとのこと。ビル群の中にある小さな公園のようなその場所は「将門塚」といいます。調べてみたところ、それは1000年以上も昔に「天慶の乱」により命を落とした平 将門の御首が祀られているのだそう。民衆の厚い信頼があったという平 将門の没後、天下では祟りであろう災いが起き、その怨霊を供養すべく「将門塚」が作られ、今は守護神としてその地に祀られているそうです。その第六次整備工事に伴い一見極上スポットに見えるものが完成したのですが、要は「そんな場所でスケートはさすがに…」といったところ。
「あのスポットの縁石やって何十万請求された」「あの近くにチンピラが住んでて絡まれる」「街でスケートしてたら書類送検(←new!!)」なんてのはストリートスケートで度々聞かれる話です。しかしそれすらもかすり傷に思えてしまうのが、怨霊に憑かれたり祟られたりした場合に起こるであろう恐ろしい出来事。幸い僕は経験ないのですが、そのようなことが起きる人も事実いるようで…。そんな災いに見舞われる人が出るのは見たくないので、「そこで滑るのはマズい」という周知も含めこの原稿を書いている次第であります。触らぬ神に祟りなし。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)