ビデオを観ていると時にとんでもないパークが登場します。見るからに面白そうなのはもちろん、パークとストリート、どっちなのか見分けのつかないような物件まであったりします。「このパーク、一体何!?」っていうようなのを映像で見かけて気になってはいたものの、調べる術もなく、なんとなく頭の片隅に残っているパークがありました。大きめの納屋のような、少し背の高い建物の中には2階建てとも3階建てとも言えないような作りで、上から下まで所狭しと作られたセクションが折り重なるようでいてすべて繋がっているトランジションパーク。もはや図面に起こすことすら困難であろう…とにかく複雑な作り。
先週Thrasherからひょっこりアップされた映像にそのパークでのクリップが多く使用され、、長年の謎を解消できたところ。そのパークの名前は「バーンサイド」。2008年にカンザス州に作られたようです。ポートランドの名物DIYパークもバーンサイド(Burnside)ですが、それとは違うカンザス州の「Barnside」。“Barn”が「納屋」という意味なので、言葉遊び的にネーミングされたのであろうと推測されます。そんなバーンサイドを攻めるのはベン・レイボーン。映画の中であればパッとしないメガネのナードキャラな見た目からは想像できない、ヘッシュでアグレッシブかつ遊び心満載な滑りは僕も大好きなスケーターのひとり。ここしばらく姿を消していましたが、フレッド・ガルがデッキカンパニーMetal Skateboardsを始動させ、再びフックアップする形で最近また見かけるようになったのも嬉しいところ。
そのバーンサイド(Barnsideの方)のクリップの冒頭に出てきた、これまたメディアで度々見かけては気になっていたのは教会の中を改装して作られたパークの「スケートリボリアス」。ミズーリ州セントルイスにあった古い教会は街のランドマークとして親しまれていましたが、閉鎖後にクラウドファンディングでパークが作られたようです。そんなパークも6月末に火事でクローズしてしまったと。唯一無二な空間のパークが消えてしまうのは寂しいものです。
世界には僕たちがまだまだ知らない、特異、特殊、珍種なスケートパークがきっと山ほどあることでしょう。自分の身体が言うことを聞くうちに、そんなパークのひとつやふたつ…とは言わず50箇所くらいは訪れてみたいものです。しかし時間とお金がいくらあっても足りないので、日本国内にもそんな場所がたくさんできる未来に期待。少し前からMBM Parkbuildersの一員として働かせてもらい、主に木工でパーク、セクションを作りつつ、そんなことばかり考えておりまっす。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)